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人に恨まれることに無縁の心結は、心当たりなどまったくなかった。
けど、気づかないうちに誰かを傷つけてたのかも。
ないない、そんなのあるわけないよ!
心結はスカートを手で払いながら、自問自答を繰り返していた。
* * *
その後図書室を出た二人。
いつものように手を繋ぎ、帰り道を歩いていた。
「なぁ心結。今度の日曜日空いてるか?」
突然拓哉が改まったように切り出してきた。
「別に予定はないけど」
「じゃーデートしようぜ」
「えっ、でもデートなら時々してるよ?」
心結の言葉通り、最近二人はデートと称し、寄り道するのが定番となっていた。
もちろん毎回拓哉から過度のスキンシップを与えられるのも定番で、それをそのまま小説に書けば、心結の小説の人気はますます高まる結果となった。
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