2936人が本棚に入れています
本棚に追加
「私服で会うのも新鮮でいいぜ。小説のネタにもなるし」
「う、うん・・・」
拓哉君と制服以外で会うなんて、今まで考えたこともなかったな。
けど、何着て行こう。
なんか今からドキドキしてきちゃうよ。
拓哉からの初めての誘いに、心結の心は大きく揺れていた。
そのせいで心結の顔はすでに赤く染まっていた。
「よしっ決まりだな!それじゃー日曜の10時、心結ん家の近くの公園で待ち合わせな」
「うん、分かった」
拓哉は心結を送り届けると、明るく手を振り去って行った。
なんか拓哉君って本物の彼氏みたい。
フワリと広がる温もりに包まれ、胸がキュ~ンと締め付けられた。
依理子たちは心配してたけど、私たちは大丈夫そうだよ。
ジンクスなんて関係ないみたい。
心結は自信に満ちた表情を浮かべながら微笑むと、拓哉の小さくなる後ろ姿をいつまでも見送っていた。
最初のコメントを投稿しよう!