体験

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「私服で会うのも新鮮でいいぜ。小説のネタにもなるし」 「う、うん・・・」 拓哉君と制服以外で会うなんて、今まで考えたこともなかったな。 けど、何着て行こう。 なんか今からドキドキしてきちゃうよ。 拓哉からの初めての誘いに、心結の心は大きく揺れていた。 そのせいで心結の顔はすでに赤く染まっていた。 「よしっ決まりだな!それじゃー日曜の10時、心結ん家の近くの公園で待ち合わせな」 「うん、分かった」 拓哉は心結を送り届けると、明るく手を振り去って行った。 なんか拓哉君って本物の彼氏みたい。 フワリと広がる温もりに包まれ、胸がキュ~ンと締め付けられた。 依理子たちは心配してたけど、私たちは大丈夫そうだよ。 ジンクスなんて関係ないみたい。 心結は自信に満ちた表情を浮かべながら微笑むと、拓哉の小さくなる後ろ姿をいつまでも見送っていた。
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