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映画が終わり、映画館を出るころにはお昼になっていた。
「あーーー面白かった!」
拓哉がの両手を高く伸ばしながら言った。
面白い?どこがよ!
心結は不機嫌に顔をそむけていた。
「けどさぁ、上映中俺が話しかけてるのに、心結は無視してたよなぁ~」
拓哉が不服そうに心結の顔を覗きこんだ。
ま、まさかこんな所でハグ!?
冗談じゃないわ!
「私は映画に集中したかったの。小説の参考にするためにこの映画を選んだんでしょ!なのに拓哉君は邪魔してばっかり!」
心結はすっと拓哉から距離をおくと、心にもないウソをついた。
「へぇーー。けどあの映画を参考にするってことは、心結はこれからラブシーンを書くつもりなのか?」
拓哉が意地悪く口元をニヤつかせた。
「な、何言ってんの!そんなの書く訳ないでしょ」
心結も負けずに反論した。
そんな二人の様子を、少し離れた場所からニヤニヤしながら見ているカップルがいた。
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