2936人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあまたねー」
「バイバーイ」
4人はまたカップルに別れると、それぞれの目的地に向かって歩き出した。
「ぷっ!」
二人きりになった途端、心結が吹き出した。
「なに?」
驚く拓哉に心結は口元を緩めながら詰め寄った。
「拓哉君も案外子供みたいなところがあるんだね」
心結は拓哉をバカにしたように笑った。
「なっ!それを言うなら心結の方だろ!俺はおまえみたいに子供じゃないぞ」
よほど悔しかったのか、拓哉は敵意ムキ出しで心結に突っかかってきた。
当然心結も負けじと拓哉に突っかかってくると思われたが、心結は急に顔を曇らせると、
「ホントそうだよね。拓哉君は私が知らないこともいろいろ知ってるんだよね」
と、急にトーンダウンし始めた心結。
両肩はうな垂れるように落ち込んでいた。
「どうした心結?変だぞ」
心結の異変に気づいた拓哉。
その顔はひどく困惑していた。
最初のコメントを投稿しよう!