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「ガタッ、カタッ」
ようやくウトウトしかけたころ、下の台所から母親が朝ごはんを準備する音が聞こえてきた。
もう朝かぁ。
うーーーん、そろそろ起きるとするか。
拓哉はベッドから起き上がると、そのまま部屋を出て階段を下り、リビングに向かった。
「あら拓哉、今日は早いのね」
「今日俺出掛けるから」
拓哉は手短に答えると、母親が用意してくれた食事を軽く済ませ、洗面所に向かった。
いつもより念入りに歯を磨き、顔も何度も洗った。
仕上げは鏡の前で髪形を整える。
まあ~こんなもんかな。
拓哉は鏡に映る自分に微笑むと、行き先を家族に告げることなく家を出た。
待ち合わせは、心結の家の近くの公園。
拓哉の足取りはいつになく軽かった。
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