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「ようっ、待ったか?」
拓哉は澄ました顔で心結に声を掛けた。
あくまでもクールな男を演じたい拓哉だった。
一方心結は拓哉が現れた途端、顔をパッと明るくさせたのを拓哉は見逃さなかった。
よしよし、いいぞ!心結は俺に心を開きかけてるみたいだな。
このままいけば、俺を受け入れる日も近いんじゃないか?
拓哉は確かな手応えを感じると、瞳を輝かせた。
「じゃー行こうか」
心結の手を掴んだ拓哉は、わざと大袈裟にこう言った。
「わぁー冷たっ!おまえ一体いつから待ってんだ?」
「わ、私もさっき来たばかりだよ」
もじもじしながら恥ずかしそうに瞼を伏せる心結。
そんな仕草も可愛いくて、拓哉を喜ばせてばかり。
心結すごく可愛い!
心結に対し優しい眼差しを向ける拓哉。
ポンポンと心結の頭を軽く叩いた。
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