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くそー!なんだよまったく!
頭上の澄み渡る空とは正反対に、拓哉の心はどんよりとした暗雲が渦巻いていた。
心結は俺に心を開きかけてたんじゃなかったのか?
なのにまた大崎先輩かよ。
ジリジリと沸き立つジェラシーに、拓哉の苛立ちはヒートアップするばかり。
俺とのデート中に他の男の事を考えるなんて、俺が許すと思うか?
俺は悪くない、悪いには心結おまえだ!
拓哉は自分を正当化しながら、コートの襟を正した。
焦りが拓哉の気持ちを一層追い詰める。
とにかく今日は俺の事だけ考えてろ!
絶対離すもんか!
拓哉は繋いだ心結の手を、力強く握りしめた。
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