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その後映画館に入った二人。
上映が始めるとすぐ、噂通り、いやそれ以上に濃厚なラブシーンが始まった。
隣で心結が身体を固くしているのを見た拓哉は嬉しくてたまらない。
「心結」
拓哉は先程の仕返しとばかりに、心結の耳元に息を吹きかけながら、何度も名前を呼んだ。
暗くてはっきりとは見えないが、きっと今の心結は、耳まで真っ赤になっている筈だ。
そんな妄想が、拓哉を無駄に刺激し、その後も拓哉は心結の名前を囁き続けた。
その間心結は、一度も拓哉を振り向くことはなかった。
やっぱり恥ずかしいんだな?
ニヤつく拓哉。
そりゃそーだよな!
スクリーンいっぱいに映し出された映像、そして大音響の声。
この俺だってドキドキするよ。
どうやら拓哉の選択に間違いはなかったようだ。
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