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お皿の料理はどんどんなくなり、和やかな会話が弾んでいたころだった。
また京一郎の一言で、場の空気が大きく一変することに。
「山野、おまえだってそのぉーーもうヤッちゃったんだろ?」
あまりにもストレートすぎるセリフに、拓哉も開いた口が塞がらなかった。
おまけに拓哉は、食べかけの料理を喉に詰まらせ、咳き込むことに。
顔を真っ赤にして苦しむ拓哉は、心の中で叫んでいた。
言うに事欠いて、京一郎はストレート過ぎんだよ!
ったく、どうしてくれんだよ!
苦しみに咽りながらも、拓哉は心結の事が気になって仕方なかった。
けど当の心結は、咳き込む拓哉を心配するあまり、それどころではなさそうで。
結果として、自分が咳き込んだことが良かったのかと、拓哉はほっと胸を撫で下ろしていた。
それなのに、調子に乗った京一郎は、
「で、どうなの山野」
と、しつこく心結に迫っていたため、我慢の限界を超えた拓哉。
「うっせー!ごほっ、黙れ京一郎!」
咳き込みながらも、声を張り上げざるおえなかった。
拓哉の怒鳴り声が功を奏したのか、それ以降すっかり大人しくなった京一郎。
最後の最後で、ようやく拓哉も落ち着きを戻すことができたようだ。
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