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がしかし、皮肉なことに楽しい時間はそう長くは続かなかった。
玄関に行こうと、廊下の角を曲がった時だった。
前方から歩いて来る男子生徒に、拓哉の目はくぎ付けになった。
うわっー!マジかよ、大崎先輩・・・・。
咄嗟に隣の心結を見た拓哉は、途端に顔を大きく歪ませることに。
先輩に気づいた心結が、目を大きく見開き顔を赤らめたのだ。
心結のリアクションは、まさに恋する女子高生。
恥ずかしそうに俯いてはいるが、実際は嬉しそうに笑っているようにも見える。
拓哉の全身にドクドクとドス黒い動悸が波打つ。
見てはいけないものを見てしまった、そんな後ろめたさを拓哉は感じていた。
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