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拓哉と目が合った途端、心結が小さく頷いた。
「無理!教えてやんない!」
心結を突き放すように笑う拓哉。
「ひっどぉ~い!拓哉君だって教えてよ!」
ふくれっ面の心結の口は、アヒルのように上を向いていた。
「何で聞きたいんだ?」
「自分だって聞いたくせに・・・・」
心結は歯切れの悪いセリフを吐きながら、瞳を左右に揺らしていた。
そんな心結を拓哉は不思議な気持ちで見つめていた。
「高校生・・・なの?」
心結は、悪びれる風もなく質問を続けた。
「・・・・まあな」
嫌々ながら答える拓哉。
「じゃあどこの学校?」
終わりのない質問責めに、拓哉は再び足を止めた。
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