2936人が本棚に入れています
本棚に追加
「どこの学校って、うちの学校じゃないって思ってるのか?」
気づくと拓哉はそう聞き返していた。
「だって、私といてもこれだけ堂々としてるんだもん。きっと別の学校なんだろうなぁ~って思ったの」
心結が自分の持論を語った。
ふぅーーん、心結がそんな風に思ってたなんてな。
けど別にいいだろ、俺の好きなヤツのことなんて。
さっさと話を終わらせたい拓哉はさらりと答えた。
「違う。うちの学校だ」
拓哉の答えに心結は大きく目を見開いた。
だからなんだってんだよ!
納得がいかない拓哉は、心結の手を引き、足早に歩き始めた。
「ねえ、今日はどこにも寄って行かないの?」
「うん、今日は止めとくよ。俺んち今日お袋いなくてな、晩飯作んないといけないんだ」
「そう・・・・、大変ね」
心結がぽつりと言った。
その顔はまるで、デートできず残念だと言っているようにも見える。
最初のコメントを投稿しよう!