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「おーい心結、早速お願いできるか?」
リビングに向かって声を掛ける拓哉。
「うーーん、今行くー!」
可愛い声が返ってきた。
それだけで拓哉の心は、フワフワと宙に舞い上がりかけていた。
落ち着け!落ち着け!
逸る気持ちを押さえつつ、期待に胸は膨らむばかり。
「ごめんね」
キッチンに現れた心結に、拓哉はゴクリと生唾を飲み込んだ。
心結の長い髪が後ろで一つに束ねられていた。
「心結、その髪・・・」
「うん。お料理する時は邪魔になるからね。衛生的にもこの方がいいんだよ」
さすがは女だな。
もっともらしいことを言う心結に感心しながら、流しの前に立つ心結を拓哉は目で追った。
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