2935人が本棚に入れています
本棚に追加
/381ページ
「ごめん。私が言い過ぎたよ。命の次に大事なケータイを拾ってくれた草壁君に本当なら感謝しなくちゃいけないのにね。ありがとう。ケータイ見たことは許すよ。確かにこういう場合仕方ないもんね」
心結は素直な気持ちで拓哉に詫びた。
そんなに心結に対し、拓哉は少しも悪びれた素振りを見せるどころか───
「それともう一つ」
開き直ったように拓哉は心結を見上げながら言った。
その拓哉の態度に心結は内心冷や冷やしていた。
そんな心結の心情を見透かしたように、拓哉はフッと口元を緩めた。
まだなにかあるの?
心結は次に拓哉が何を言い出すのか落ち着かない。
そんな拓哉が口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!