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「ごめん」
心結の背後から拓哉が声を掛けた。
すると──
「今度したらこうだからね」
心結は側にあった包丁を握り、拓哉にチラつかせた。
「はいはい」
気持ちなど全く入っていない拓哉のカラ返事だったが、心結はクスリと笑うと料理の準備を始めた。
なんだか楽しい──
それが拓哉の正直な感想だった。
心結が作ってくれるのはカレーライス。
定番中の定番だ。
初めて味わう心結の手料理に、拓哉の期待も大きく膨らんでいた。
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