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「で、なに?恋愛が足りないからどうだっていうの?それって私がケータイ落としたこととは全く関係ないよね。それこそプライベートなことでしょ。これ以上クビ突っ込まないで!!」
しかし拓哉は、心結の言葉を素直に受け取ろうとはしなかった。
それどころか───
「俺が教えてやってもいいけど」
更に心結を驚かせるセリフを拓哉は投げかけた。
「はぁ~~~?」
半笑いの拓哉の顔を、訝しげに見つめ返す心結。
拓哉の言葉の意味を全く理解できず、心結の心は決して穏やかではいられなかった。
「いいから遠慮するなって。俺がおまえの小説もっと面白くなるようにいろいろアドバイスしてやるよ」
「・・・べ・べつに遠慮なんか・・・」
状況の変化について行けず、口ごもる心結。
そんな心結に拓哉はもっともらしい言葉を並べ、説得し始めた。
「知ってるか?俺って結構モテるんだぜ。そんな俺のアドバイス、聞いて損はないと思うけど」
少し照れたように拓哉は言うと、腕を組み心結を見つめた。
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