契約

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そして拓哉はじりじりと心結に詰め寄った。 な、なに・・・!? 心結は拓哉が怖くて動けないでいた。 すると拓哉は、腰を少し屈めると、心結の顔を覗き込み凝視し始めた。 ちょ、ちょっと草壁君、顔近いよ。 拓哉があまりに至近距離に迫ってきたため、心結の足は自然と後退る。 けれど、拓哉が心結の両肩をグッと掴んだため、心結は後ろに下がることができなくなってしまった。 「ちょっと離してよ!」 心結が拓哉の手を振りほどこうとしても、拓哉の手はびくともしない。 それどころか、次の瞬間心結は体の力が抜けたように、フワリと軽くなった。
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