契約

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そんな拓哉がようやく心結から手を離した。 しかし少しも悪びれた様子を見せない拓哉。 口からは謝罪の言葉など一切出る筈もなく。 「フッ、やっぱりな」と、勝ち誇ったように笑っているだけだった。 もう、なんなのよ~~~! そんなにきつく握られていたわけではないが、心結の肩は熱を帯びたように熱く感じられ、なかなか動悸もおさまらない。 ひょっとしてこれが草壁君の言っていた罰なの? だったら冗談じゃないわ!! これってあまりに理不尽よ! 心結の瞳に怒りの炎がメラメラと燃え始めた。
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