契約

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「ヒドイじゃない!これが草壁君の言ってたバツなの?最低!」 心結は怒りを露わにし、拓哉に言い放った。 すると拓哉は、「遅れたおまえが悪いんだろ。俺はちゃんと言ったはずだ」と澄まし顔。 「それよりなんだよ!これくらいで顔が真っ赤になるなんてさぁ、本当は恋愛小説を書かないんじゃなくて、書けないんじゃないの?そもそも山野って恋愛経験あるのかよ?」 拓哉は心結の弱い部分をグサリと突いた。 けど、心結にだってプライドはある。 拓哉に負けてばかりはいられない。 「し、失礼ね。わ、私だって恋愛経験くらい・・・・あるわよ。こんなところに呼び出されて、め、迷惑してるんだから!誰かに見られて誤解とかされちゃったら、ホ~ント困るのよね~」 負けたくない一心で、心結は口からデタラメを言って反論した。 しかしなぜかそれが、拓哉の怒りをかうことになってしまったようで───
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