契約

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「だから・・・・、ほら、さっき草壁君私をギュってハグしたでしょ」 心結はモジモジ恥ずかしがりながら下を向くと、少し口ごもって答えた。 すると拓哉は、 「ああ、さっきのお仕置きね」 と、瞳の奥を怪しく光らせた。 『お仕置き』って、なんか嫌な言葉。 心結は眉をひそめ、拓哉を睨みつけた。 しかしそれに対し、拓哉が動じることはまったくなかった。 「命令とお仕置きはセットみたいなもんだ。山野が命令を聞きさえすれば、自動的にお仕置きはなくなる。まあアドバイスの延長みたいなもんだと思ってくれたらいいよ。なんたって山野は恋愛経験ゼロなんだから、適度な刺激も必要だろ?」 拓哉はニヤニヤと笑いながら心結を見た。 ぎゃーーーー!冗談じゃないわ。 心結は血の気が引いて行くのを感じた。 けど、「お願いします」って言った以上、これから我慢して耐えていかなきゃならないの? やっぱ無理!!絶対に無理!! 心結はすぐに後悔し始めていた。
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