契約

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「草壁君・・・・」 バツが悪そうに心結が拓哉の名前を呟いた。 「私やっぱり無理みたい。ごめん、今の撤回してよ」 心結は顔の前で手を合わせ、拓哉に願い出た。 すると─── 「そっちこそ無理!」 拓哉はそう言うと、いきなり心結の背中に腕をまわした。 「きゃっ~~~~、な、何してんの~~~!!!」 心結はジタバタと手足をバタつかせ、拓哉を引き離そうと必死に抵抗した。 けど拓哉がさらに力を込めたため、心結は拓哉の腕を簡単に振りほどくとができない。 それでも心結は力の限り抵抗した。 けど所詮は女の子、拓哉の力に勝てる訳がなかった。 「今更なかったことにしてほしいだって?無理に決まってるだろ。いいか山野、おまえが俺を怒らせると、俺は今みたいにおまえを抱きしめる。これが俺のお仕置きだ。忘れるな」 「きゃーーー!!無理無理!止めてよ、草壁くーーーん!!」 力では勝てないと悟った心結。 今度は言葉で抵抗しようと、必死で叫び声を上げた。 すると不快感をあらわにした拓哉が、心結に向かってとんでもない事を言い出した。
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