偽彼

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「あ、あのね。別にそういうことじゃぁ・・・・」 依理子たちの誤解を解こうとする心結。 「もうっ、照れちゃって~。いいの、いいの。昨日心結が裏庭で告られたことは事実なんだから」 依理子たちは心結に弁解する隙を与えてはくれなかった。 私草壁君に告られてなんかないよ! 半分脅迫されたって言う方が正しいと思う。 まったくの誤解だよ! っていうより、どうしてこんな噂が広まっちゃってんの? 誰かに見られてた? 嘘でしょ~~~!? でも、依理子たちも誰かに聞いて知ったんだよね。 ってことは、他にも知ってる人がいるってこと? わぁぁぁぁ、もう終わりだ~~~! 心結は心の中で叫びながら、頭を抱え机にうつ伏せた。 一瞬で心が暗闇に包まれた。 おまけに心結の頭は、まるで鈍器のようなもので殴られたように重く感じられた。 それに合わせるように、心結の顔はどんどん青ざめていく。 そんな時だった──
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