偽彼

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「おまえどうしたんだ?その顔・・・」 拓哉はひどく驚いて、心結の顔を覗き込んだ。 そのまま拓哉は手を伸ばすと、そっと心結の頬に触れた。 「ひやっ!」 突然拓哉の手が触れたため、心結は悲鳴を上げた。 その拍子に大きくバランスを崩した心結。 「おいっ!山野!?」 焦った拓哉は素早く心結の腕をグッと掴んだ。 かろうじて転倒は免れたものの、そのはずみで心結は拓哉の胸に顔を埋めることに。 結局心結はここでも拓哉に抱きしめられていた。 「うわぁぁぁぁ~~~!!」 心結は大声を上げると、慌てて拓哉を押しのけた。 ちょっと勘弁してよーーー! それでなくても混乱してるのにーーー! 拓哉の手を振りほどいた心結は、フラつきながら柵の淵に座り直した。 拓哉との距離は、先程よりかなり多めに空けられていた。
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