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そんな時だった。
「ねえ、他も一応あたってみる?」
依理子が手にくっついた芝生を払いながら言った。
それに同意したように他の2人も大きく頷く。
それもその筈。
携帯電話は心結だけでなく、3人にとっても大事なアイテム。
それをなくした心結の気持ちは痛いほど理解していた。
「でもやっぱここなの。最後にケータイ使ったのはここ以外考えられない」
心結は震えながら、細い声で言った。
「だったら心結のケータイに電話してみようよ。それが一番早くない?」
桃香が機転を利かせて言った。
「そうだよ!それが一番早いよ。私のケータイからかけてみな」
そう言って美穂が制服のポケットから携帯を取り出した。
「ありがとう美穂。じゃあ電話かけるね」
心結は携帯を受け取ると、みんなが心配そうに見守る中、早速携帯番号を押した。
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