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片想いとはいえ先輩を好きな心結。
小心者の心結に、告白などという大胆な行為はできそうになかった。
けどそんな心結も、先輩に想いを伝えたくて、卒業式の日に手紙を渡す計画をたてていた。
卒業式まであと数か月。
先輩に想いを伝えることを唯一の楽しみにしている心結。
幸いなことに、大崎先輩は今日は受験前のため、学校には来ていない。
だから噂が先輩の耳に入らないうちに、誤解を解き、妙な噂を消し去ってしまいたかった。
これが心結が頑なに反対する本当の理由だった。
それなのに、心結の事情を知らないとはいえ、拓哉はとんでもないことを言い出した。
心結が怒るのも当然だ。
なんでこのまま草壁君と付き合わなきゃいけないのよ？
そんなのおかしいでしょ！
先輩のことで頭がいっぱいになった心結。
隣で拓哉が心結を妖しく見つめていることなど、気づく筈もなかった。
しかし拓哉は大きく息を吸い込むと、意を決したように真っ直ぐ心結を見つめた。
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