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けど、美穂の一言で心結は理解した。
なぜ依理子が心結をあっさり解放するのかを。
「心結ぅ～、これから草壁君と一緒に帰るんでしょ？」
「そりゃーそうでしょ！ねぇ～心結！」
桃香も好奇な目で心結に話しかけてきた。
「えっ、あっ・・・」
心結は顔を曇らせ口ごもった。
心結にはまったくそんな考えはなく、ただ依理子たちから逃げ出したい一心で、早く帰ろうとしていただけなのだから。
私と草壁君が一緒に帰るですって？
そんなの恥ずかしいよ！
想像しただけで心結の顔は赤くなっていた。
「もう照れちゃって！」
そんな心結を、３人が口々に冷やかし始めた。
居たたまれなくなった心結は、
「じゃーバイバイ！」
と言って、逃げるように教室を飛び出して行った。
そんな心結が向かった先は、なぜか玄関とは反対の図書室だった。
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