交際

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「だったら俺は平気だ。俺も本は嫌いじゃないし、何時間でもおまえに付き合うよ」 ウソでしょ!?普通待たずに帰るよね! 思惑が外れた心結は、強く床を蹴りつけた。 「あーーでも今日は止めとこうかな~」 「どうした?」 心結の頭はすでに別の事を考え始めていた。 もしここに草壁君と長時間いた場合、大崎先輩がひょっこり現れるかもしれない。 二人で一緒にいるところを見られるのは絶対に嫌! いくら付き合ってるフリとは言え、他の生徒の注目を集めるのも嫌だし。 とにかくここを出なきゃ! 「やっぱり帰る!」 心結はかばんを掴むと、さっさと図書室を出て行こうとした。 しかし─── 「おい待てよ」 すぐに拓哉に呼び止められてしまった。 心結は仕方なく立ち止まり、後ろを振り返った。 「おいおい、彼氏をおいて先に帰る気か?」 「か、か、彼氏ぃ~~~~!?」 心結は目をパチパチさせながら、カバンをギュッと抱きかかえた。
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