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ここは静かな図書室。
なのに拓哉の笑い声が大きくて、本を読んでいた数人の生徒が不快感をあらわに心結たちを睨みつけている。
うわぁ、変顔を見られただけでなく、注目されてちゃってるよ！
ここに穴があれば今すぐにでも入りたい！
けど、今はそんなことを言ってる場合じゃない！
早くここから逃げなきゃ！！
心結はかばんをギュッと掴むと、一目散に図書室を飛び出して行った。
すると、心結が怒ったと勘違いした拓哉が、「悪かった！」と謝りながら追いかけて来た。
なんで追いかけてくるのよ！
心結は恥ずかしさのあまり速度を速めた。
すると、それに合わせるように、拓哉も加速し追いかけて来た。
すると更に心結も速度を上げていき、気付けば心結は全速力で走っていた。
それを拓哉も全速力で追いかける。
二人が廊下を駆け抜ける様子は、かなり目立っていた。
これじゃー逆効果だよ！
途中で気づいたものの、今更止まる訳にもいかず。
生徒たちが注目する中、心結はようやく下駄箱に辿り着いた。
苦しかった。
下駄箱に寄りかかり、はぁはぁと乱れる呼吸をなんとか整えようとする心結。
頭の中は真っ白で、苦しさ以外何も浮かんではこなかった。
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