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すると彼女は、最初に言っていた質問を再び僕になげかけた。
「ねぇ、なんでそんなところで立ち止まってるの?」
問いに僕は答える。
「僕、もう疲れちゃったんだ。この道を歩くの。」
僕の言葉に彼女はふーんと軽く会釈する。
「それに、この道はもう行き止まりだし。」
その言葉に彼女は面白そうに笑みをうかべた。
「キミって変な人。ふふふ。」
何が彼女にとって可笑しいことだったのか僕にはわからず、首を傾げた。
その仕草から、彼女は僕の気持ちを汲取ったのか、こう答えた。
「だって、まだその道はつづいてるもの。ほら。」
そう言って彼女は僕の前を指さした。
僕は久々に前を向いた。
するとそこには確かに道があった。
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