僕の罪悪感。彼の罪悪感。

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家に帰ると電話がかかって来た。 「もしもし?」 母が電話に出た。 「あ、はい……」 静かに受話器が渡された。 「もしもし?」 恐る恐る出ると彼のお母さんだった。 「あのあなた宛てに手紙を書いてあったんだけど読んでいいですか?」 泣き疲れた声で言った。 変なことが書いてあったら多分こっちは殺しに来るような勢いだ。 「はい……」 「じゃあ、読むね。 君には迷惑をかけてすまない。 君は悪くない。 自分に絶望したんだ。 君から金を取ろうとしたのがいけなかった。 だから、あのみんなの行為は僕への罰なんだ。 みんなに気づかされた。 自分のやってしまったことの罪を。 君のおかげだ。 危うく、完全な悪人なりそうだった。 悪人にはなりたくない。 ありがとう。またね。 以上です。」 途中泣けて来た。 ごめん。 それしか出てこない。 悪人は僕達だ。 君は悪くない。 ごめん。 ……ごめん。
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