僕の記憶

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どうでも良かった。 彼がどうでも。 自分が良ければ。 なんでかって? 彼が悪だから。 僕達らが正義だから。 正義が勝つのが当たり前でしょ。 悪は滅びるんだろ。 そうだよね? ……そうだよね? ……………………そうだよね? 誰か「そうだ」って言ってくれ。 頼むよ。 気持ち悪い空気、気持ち悪い流れ、気持ち悪いみんな。 でも、一番気持ち悪いのは止める勇気がない自分なんだ。 悪はどっち? 正義とは何? 分からない。 分からない分からない分からない分からない。 彼は悪なんだ!! 彼は悪なんだ。 ……彼だけが悪なのか? そうだ!! そうだ。 ……そうなのか? 彼は屋上に1人立ち尽くしていた。 手を振る彼が見える。 口でこっちに何か言っているのが分かった。 「じゃあね。またね。ごめんね。さようなら」
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