第一章 日常

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まだ5時半だってのに、空は暗く、闇色に地面を染めている。わずかな光は、校舎の電気のみ。 ………気味が悪い 「どうした高杉、怖がってんの?」 2組学級長で陸上部の森田鷹真(もりた たかまさ)が語りかけてくる。 「べっ別にそういうんじゃなくて、…さっ寒いな~って」 ごまかし方が我ながら下手だ。  「んー。確かに肌寒いな。」 「いや肌寒いなんてレベルじゃないだろ。真冬だし。」 尚馬が駆けてくる。 「先生がもう終わるってさ。」 「え?早くね?」 「確かに」 鷹真が頷く。 「あまりにも暗いから、だってさ。」 「それなら納得だ!暗すぎんのは勘弁だってぇー!事故起こすかもしれないじゃーん?」 「高杉大げさだなー。俺は暗闇大好きだけどなー」 尚馬はホラー系好きだ。 気が知れないが…… 「ともかく先生んとこ行こう。」 鷹真が冷静に割り込む。 「んぁーそうだな。」 俺達は顧問が待つ2階の教室に向かった。
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