第一章 日常

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ガラガラッ!! 席に着いていた全員の視線が俺に集中する。 「はぁ、はぁ、セーフ…か?」 教卓に目を向けると、担任の姿がないことに気づく。 「おっせぇよ高杉!」 「寝坊か?珍しいな~」 平口瑛助と河又康成が笑いながら言う。それにつられて、教室中に笑いが起こる。 「ん、まぁそんなとこだ。」 そう言いながら、窓際の自席に歩いていく。 「俺より遅いとか、マジ亀だろ。」 隣の席の幸村がニヤニヤしながら言ってくる。こいつは四六時中ニヤニヤしてやがる。 「だが亀は走れやしない。」 近席の小早川が正論をはさむ。 ガラガラッ! 再び扉が開く。 「あぁ~…はぁはぁ…」 獅子谷登場。再び教室中に笑い声が響く。 「おま、高杉より遅いとか、マジノミだろ!」 幸村の発言はつくづくよく分からない… 「階段きついんだぞ!!」 獅子谷の声はよく響く。 みんなで笑っていると、また扉が開いた。   
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