10年後

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幼い頃から考えが一緒で、常に行動をともにしていたせいか、入学した高校も同じだった。 決して頭がいい高校ではないが、楽に合格出来る高校でもない。 ……千鶴は余裕で合格したが、迦音はギリギリだった。 高校に入った2人は同じクラスになり、今となっては、迦音は『違う高校にすればよかった』と、後悔している。 1日の授業を終え、迦音は早々に教室を出て行ってしまった。 「……のんちゃん」 千鶴は迦音の背中を、悲しげに見つめていた。 帰り道……。 『……ギャッ!』 迦音が歩いていると何かにつまずき、転んでしまう。 『……痛ァ……』 腰をさすりながら躓いた場所を見ると、そこには何も無かった。 風が……枯れ葉を巻き上げて……吹き抜けた。 違和感を覚えた迦音だったが、立ち上がり砂埃を掃ってその場をあとにした。 家に着き、部屋に向かう。自室に帰るなり、迦音はカバンを無造作に放り投げ、ベッドに倒れ込むようにうつぶせになった。 『はぁ……毎日毎日……何やってんだろ』 ボソッと呟き仰向けになり、そして天井を見つめる。 _
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