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幼い頃から考えが一緒で、常に行動をともにしていたせいか、入学した高校も同じだった。
決して頭がいい高校ではないが、楽に合格出来る高校でもない。
……千鶴は余裕で合格したが、迦音はギリギリだった。
高校に入った2人は同じクラスになり、今となっては、迦音は『違う高校にすればよかった』と、後悔している。
1日の授業を終え、迦音は早々に教室を出て行ってしまった。
「……のんちゃん」
千鶴は迦音の背中を、悲しげに見つめていた。
帰り道……。
『……ギャッ!』
迦音が歩いていると何かにつまずき、転んでしまう。
『……痛ァ……』
腰をさすりながら躓いた場所を見ると、そこには何も無かった。
風が……枯れ葉を巻き上げて……吹き抜けた。
違和感を覚えた迦音だったが、立ち上がり砂埃を掃ってその場をあとにした。
家に着き、部屋に向かう。自室に帰るなり、迦音はカバンを無造作に放り投げ、ベッドに倒れ込むようにうつぶせになった。
『はぁ……毎日毎日……何やってんだろ』
ボソッと呟き仰向けになり、そして天井を見つめる。
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