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VISION~幻と想い
幻想郷。
結界に守られたこの世界は、人間、妖怪、妖精、神々などが暮らす場所。
その世界に存在する一つの場所、“マヨヒガ”。
その日本風の家の中には一人の女性が、目の前にある不気味な空間を覗き見ていた。
彼女の名前は八雲 紫(やくも ゆかり)、この幻想郷に古くから存在する妖怪。
だが、その見た目は人間となんら変わりは無かった。
「紫様?何を見てらっしゃるのですか?」
紫に向けて、女性の声が届いた。
紫「あら、藍(らん)じゃない。貴女もこれを見て御覧なさい…」
藍「…何事ですか?」
声の主、八雲 藍。
九尾の狐の尻尾を生やした彼女は幻獣であり、同時に式と呼ばれる紫の僕でもある。
手招きする紫に引かれ、藍は引き裂かれた空間の隙間を覗く。
藍「…これは!?」
見えた光景に、藍は思わず驚きの声を上げた。
紫「藍、部屋を一つ“彼女”の為に用意してくれるかしら?」
藍「!紫様、まさか!?」
紫「そう、彼女を幻想郷へ招待するわ…」
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