1 青くなりたいから青いんだよ!!(薫)

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「な、なに?」 「薫さんってやっぱり可愛いよね」 そう言って飛鳥は私の右隣にドサッと座ると、私の右手を掴んだ。 それから彼は私の手を開かせると、私の手の平の《傷》にそっと指を這わせる。 私の右手の平には、親指と人差し指の間から小指の下まで、一直線に切り裂いた様な傷がある。 それを飛鳥は何も読めない不思議な瞳をして見つめながら、愛おしそうに指でなぞった。
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