落涙の証

１ 青くなりたいから青いんだよ！！（薫）

「床に寝転んだら、服汚れるぞ」

そんな徹の声も今の飛鳥には届かないらしい。

飛鳥は太陽に向かって掲げていた左手を下ろすと、指輪にそっと口付ける。

「大好き……薫さん」

「おいおいおい。アンタの薫さんここに居るけど。死んじゃったみたいに言うのやめてくれませんか。なんだか不吉なんですが」

そう言って呆れたように溜息を吐くが、飛鳥はまた左手を掲げ、キラキラと光る指輪を眺めていた。