394人が本棚に入れています
本棚に追加
「静かに!!」
その薫の言葉と共に辺りを見回せば、一緒の船に乗っていた他の乗客達の視線を感じた。
小学校の高学年くらいの男の子を連れた夫婦に、ブランド品をこれでもかと纏った金持ちそうな中年の女。
21の俺と同じ年くらいに見える小動物の様な女の子に、消し炭色のスーツを着た神経質そうな眼鏡の男と、マスクをして深々と帽子を被ったいかにも怪しい男。
それからピンクのアロハシャツを着た小太りのおっさんと、その恋人なのか愛人なのかは分からないが、パッサパサの金髪で派手なメイクのギャルに、どこにでもいそうな地味なおばさん。
最初のコメントを投稿しよう!