349人が本棚に入れています
本棚に追加
「まぁでも、こんなカタチで会ったのも何かの縁じゃね？ってことで、君の名前教えてよ♪」
「…………十六夜 棗｡」
十六夜 棗かぁ…。
「……いい名前、だな｡｣
「え？」
無意識にボソリと呟いたオレは、訝しげに覗き込んでくる棗の声にハッとした。
「ん？あぁ、ゴメンゴメン。なぁ、棗って呼んでいい？」
「……え……？」
「あーっと、別に変な意味じゃねーよ？
まぁなんだ、君とは仲良くなれる気がしてさぁ｡｣
「……何ソレ｡｣
あらら。
呆れられちまった、オレ。
自分でも変だとは思ってるともさ。
オレ、今までこんなことなかったし。
ぶっちゃけちまえばオレは、自分から名前聞いて友達になりたいなんて思ったことはない。
ニコニコ笑って愛想振り撒いてりゃ、自然と人が寄ってきたんだから。
けど、
オレはそん時、どうしても棗の名前を知りたいと思ったんだ。
なんでか知らないけど、
『棗と仲良くなりたい』
そう思った。
最初のコメントを投稿しよう！