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「……だから、何?さっきから人の顔ジロジロと……。」
棗が怪しむようにオレの顔を覗き込む。
「…っ!なぁんでもねーよ。ホラ、学校同じなら一緒に行こうぜ?」
「…………」
オレのその言葉に黙って俯く棗。
「……棗?」
オレは怪訝に思って名前を呼んだ。
「……何?」
「や、何、じゃなくて…」
「学校、行くんでしょ。さっさと行こうよ。」
「…………」
棗は半ばオレをシカトするように歩きだした。
オレもつられて歩きだす。
「…なぁ、君、今何年生?」
「…1年だけど。」
……やっぱりな。
見るからに年下っぽいし。
「君さー…年上に対するその言葉遣い、なんとかしなさいよ。知ってるとは思うけど、オレ君より年上だよ?」
「…………アンタは……」
「アンタじゃなくて魁斗っ!オレの名前っ!そして『先輩』を付けろ。」
「…………」
棗は何故か呆れたように溜め息をついた。
「…………そのうちにね。」
「そのうちって…!」
「……しょうがないだろ。俺はどうしてもこういう喋り方になっちゃうんだから……。」
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