仮面の下は。

出逢いは突然に？

棗が渾身の力でオレを突き放す。

俯いているから、顔は見えない。

……ちょーっと虐めすぎたか？

「なぁ～そんな怒んなよ。悪かった……」

その瞬間、オレの心臓がドクンと波打った。

……おいおい…。

なんつー顔してんだ。

覗き込んだ棗の顔は、まるで茹でたてのタコみたいに真っ赤だった。

男のくせに美人顔でそんな真っ赤になっちまって………反則だっつの。

その直後にオレが取った行動に、どう理由をつければいいのかわからない。

なんでか知らないけど、

その時のオレはどうしようもなく───

「……っ!? んんっ……」

棗の顎を掴んで顔を上げさせ、キスをしていた。