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好き?
なの?
って?
あたしが?
只野くんを……?
「えぇ!?」
あたしは持っていた鞄を落としてしまった。
あたしは慌てて鞄を拾うとなぜか只野くんも鞄に手を伸ばした。
「聞こえなかった?
好きなの?」
ドキンッ
って、心臓が跳ねた。
だから、そんな真っ直ぐな瞳で見られると…。
あたし…。
あたし…。
「好きなの?
太宰治」
「へっ?」
太宰…治…?
あたしは頭が真っ白になってしまった。
「だって、本貸してほしいんでしょ?」
本…。
それは…。
只野くんが読んでるから。
だから、ちょっとおもしろいのかなって思っただけで…。
あたしは別に太宰治が好きな分けじゃなくて…。
ああ、もう!
考えがまとまらない。
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