~やっぱり…好き。~

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「それは…」 「それは?」 クスッ って、只野くんが笑った。 だから、またあたしの心臓がドキンッてした。 初めて笑ってくれた――――。 「坂井さんて変な人」 えっ!? あたしが!? 変な人!? 「た…只野くんに言われたくない!」 「確かに」 あっ、 また笑った。 只野くんはそっと鞄からさっきの『人間失格』の本を取り出した。 「はい」 「えっ? いいの?」 只野くんはコクンと頷いた。
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