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「だから、只野くんには言われたくないって」
「そう?」
あれ?
あんなに気まずいと思ってた只野くんなのに、あたし普通にしゃべってる。
むしろもっと只野くんを知りたいと思ってる。
「これ読んだらまた違うの貸してね」
「読んだらね」
「絶対に読むから!」
あたしは只野くんともっともっと話したい。
只野くんは何が好きとか何が嫌いとか、どんなくだらなくてもいい。
知りたい。
あれ?
あたしいつの間にか只野くんを好きになってる?
「やっぱり、好きなんじゃない?」
「えっ!?」
ドキンッ
「太宰治」
もう!
またそれ!?
あたしは1人で膨れてみせた。
「それとも、オレ?」
「えっ?」
あたしの頭は真っ白になった。
えっ?
好き?
なんで!?
なんでさっき気づいた自分の気持ち、本人の只野くんにバレたの!?
あたしは真っ赤になってしまった。
「図星?」
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