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「あたし…」
「うん」
「あたしね」
「うん」
只野くんを掴んでいるあたしの手から只野くんの体温を感じた。
薄茶色の瞳にあたしが映る。
ドキンッドキンッ
って、今まで感じた事のない緊張感が走った。
「す、」
「す?」
『好き』と言うたった二文字の文字がこんなにも緊張するなんて。
「す…好き?」
あたしは只野くんを見上げた。
「なんで疑問系なの?」
「えっ?」
「ちゃんと言って」
ドキンッ
只野くんが真っ直ぐあたしを見てきた。
だから、益々あたしは緊張してしまう分けで…。
「言ってくれないと解らないよ?」
「だから、
あたしは…」
あたしは…。
口の中が乾燥しちゃって、うまく言葉にならない…。
「只野くんが好き」
「よくできました」
只野くんがクシャってあたしの頭を撫でた。
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