~やっぱり…好き。~

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「坂井さん?」 あたしは只野くんの言葉を無視してズンズン歩く。 「待ってって」 「待たない!」 そんなあたしの腕を力強く只野くんが掴んだ。 「ごめん…。 嬉しかったからつい、 ごめんね?」 只野くんは小動物のような瞳であたしを見てきた。 ずるい…。 そんな瞳で見つめられたら…。 ほら、 またドキンッドキンッとあたしの鼓動が早くなる。 「好きだよ」 そう言って只野くんは優しく抱きしめてくれた。 お父さんともお母さんとも違う、 ましてや女友達とも違う。 なんだろう? この感覚。 あったかくて安心するのに…。 ドキドキする。 あたしはおそるおそる只野くんの背中に手を回した。
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