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帝国領。その一端。
夜景だけが取り得の、所謂田舎町。
ギ・ワヘイ。
そこの酒場に、青年は働いていた。
「ミートパスタとーあとオレンジジュースとーはちみつパフェね」
「かしこまりました。少々お待ちください」
「兄ちゃーん!こっちー!」
「ただいまー!・・・・・はぁ、忙しいな・・・・」
青年ウル。20歳。この酒場で働くしがないウェイター。
「生ビールとステーキ2つずつ。頼むわ」
「かしこまりました。少々お待ちください」
「おいウル!ちょっと来い!」
なにやら厨房の方から怒声が響いた。
一般の客の大半はその声に怯えた。
「今度は何だよ・・・・」
早歩きで厨房に向かうと、両手にフライパンを持ち、もはや「料理」というか「料技」になっている料理長・ガンバックがウルに顔も向けずに言った。
「肉があとちょいで切れそうなんだ!ちょっくらお前ぇ、森行って調達してこい!」
「・・・・・だからよぉ、何回も言ってんだろじじい。俺はウェイター。つーかシェフでもあるだろ!ちゃんと料理できんのにいつまでたっても何でウェイターなんだよ!いい加減厨房入れやがれ!」
「やかましいわヒヨッ子が!さっさと行って来い!」
「俺は戦闘員でも何でもないわ!」
「うるせぇ!早くしないと一生厨房入れねえぞ!」
「・・・・・クソッたれがぁ!」
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