quartetto.

新井 隆臣

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俺は新井隆臣。
あらいたかおみ、と読む。

森童高校二年生。

クラスの奴等は、俺とはなるべく関わらないように距離を保っている。

何故か？

……俺が不良だからだ。

別に不良になろう、と思ってなった訳じゃない。

もとは家のせいでもある。

貧乏暇なしの我が家は、俺の制服を新調する金すらなかった。仕方なし、親父の学ランを頂いたのだが………

短いんだ。
ものごっつ。

所謂、短ランってやつだ。

まあ俺としては見た目はなんでもいいので着ていたんだが。

入学早々、上に目をつけられた。新入生が短ラン……生意気なんだよ、とかで。

まあそのまま喧嘩に発展し、運が良いのか悪いのか、俺が勝っちまったわけだ。

それからと言うもの、他校の奴等なんかにもよく絡まれるようになり、気づけば俺は悪名で有名になっちまってた。

まあ、不登校な訳でもねえし成績が悪い訳でもねえから、先生も親もなんも言わねえけどな。

そんな俺ではあるが、別に寂しくもなんともないわけで。

今日も元気に登校しているのである。