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ガラリとドアを開けて教室に入るが、クラスの奴等は一瞥もくれない。むしろ目を逸らす。
どこからの噂か、俺と目が合うと殺される、というのを聞いた。
俺はそんな見境無しに拳を振るう奴じゃねえ。むしろ振るいたくない、平和主義者だ。
と言っても通用するわけもないので、俺も言わず。すたすたとそのまま己が席に座った。
クラスの端々でひそひそとひしめく声がするが、あえてスルーだ。
俺がそちらを見ると怖い印象しか与えられないみたいだからな。
｢おまいら、席つけ。ＨＲ始めるぞ～｣
いつのまにか担任が居り、本日のＨＲが始まった。
俺は、ふと外に視線をやる。
澄み渡った青空には雲一つなく。暖かい日差しが窓越しに降り注いでくる。
こんな日は、会いたくなる奴が居る。
こんな俺を見た目で判断せず、癒してくれる存在。
学校が終わったら会いに行こう。そう決めた。
｢新井くんって時々笑うよね｣
｢うん、ちょっとカッコいいよね｣
女子がなにか言っていたが、俺の頭の中はあいつで一杯なので、何を話しているのかは聞き取れなかった。
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