新井 隆臣

7/21
前へ
/70ページ
次へ
. 「気を付けなよ、おみは気付くと何処かしら怪我してるんだから」 「ああ、ありがとう……」 ぷんぷん怒るスバルも可愛いな。 その後、小一時間くらい談笑した後、配達が入ったので俺もおいとますることにした。 「また来てねおみー!」 「ああ、ご馳走様」 カラン、と店を出ると、外はうっすら紅色に染まっていた。 今日はスバルに会えたお陰で少し癒されたな。また近々来よう。 元気になった俺はスバルとの談笑を思い出しつつ、帰路についた。 ********** ――――翌朝。 相も変わらずの快晴に、気分良く家を出る。 ちなみに今俺は一人暮らしだ。親元にいたら金かかっちまう。だったら一人暮らししてバイトして、少しは親に楽させてやらんとなと思い。 まあ不自由もなく自由にできているので悪くない。 いつもの道を登校していると、ふいに目の前を黒猫が横切った。 「………」 黒猫とは、不吉な。 何だか、嫌な一日になりそうだ。 まあ迷信なんだろうけどな。何となくテンションは下がるものだ。 小さくため息をつき、俺はまた歩き出すのだった。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加